川面(かわも)漣(さざなみ)囁くことにゃ そら来るぞ そら来るぞ 麓(ふもと)皆々音のなるまま もう直ぐか もう直ぐか 奇意(きい)に巻かるるお岳の領主 良からぬは 良からぬは 寺の御仁に刃を立てて 諸々挙(こぞ)って 炎や 怨や 母嘆く罪無き怨嗟(えんさ) 餌さわぎ立つ 我の糧也 ※1 朱夜(しゅや)の花 指切り咲いて 宵(よい)の先ゃ 夜毎の御苑(ごえん)に 塵(ちり)散り舞えや 暮れもお先に ゆめゆめ出でて 主の言うとおり 奇異に包まる城下渡るは 誰だろか 誰だろか 奥の淵から身を投げたとさと 口々揃って ゆら ゆら 手を合わせ祈れや安寧を さあ祀(まつ)れや 影なる故由(ゆえよし)を ※2 御方(おんかた)の番は 下弦の晩に 狂気の先ゃ 夜陰(やいん)に帰らず 黄昏(こうこん)鳴いた 空地(そらち)のものと つれづれ歩け 人世を忌して ※1繰り返し ※2繰り返し ※1繰り返し